Radish 大根(ダイコン)
複数の酵素が消化を助ける
煮ても焼いても、漬けても、生食でもおいしく食べられる万能野菜で、全国各地に根付いた品種が多くあります。年間を通して出回っていますが、秋~冬が旬の野菜で、この時期に収穫されたダイコンは、寒さで甘みがぐんと増します。春の七草の「すずしろ」としても知られ、「古事記」にも記載がある古くから親しまれている野菜のひとつです。主流の品種は甘みが強く辛みが少ない、根の上部が淡緑色の「青首だいこん」です。サン・フレッシュグループには強い辛みの品種や、赤、紫、黒、縞模様といった色とりどりの品種も販売しています。ダイコンの栽培の記録は古く、古代エジプトのピラミット建設時に食用として栽培されていました。日本で多くの地方品種が生まれたのは、江戸時代、参勤交代で都市と地方の交流が活発になってからともいわれています。
-
選び方
- 皮にツヤとハリがあり、ずっしりとしているもの
- ひげ根の穴が浅くて少なく、まっすぐ並んでいる
- カットされているものは断面を確認し、スが入っていないもの
- 葉がみずみずしく、放射状に広がっているもの
-
栄養
ダイコンには数種類の酵素が含まれています。デンプンを分解する酵素のアミラーゼ、たんぱく質を分解する酵素のプロテアーゼ、脂質を分解する酵素のリパーゼ、発がん性物質を解毒する酵素のオキシダーゼなどです。古くから日本に伝わる春の七草の「すずしろ(ダイコン)」は正月料理で弱った胃腸を整えるのに効果的でした。酵素は熱に弱く50℃前後で働かなくなりますので、生のままおろして食べると有効的です。また辛み成分であるアリルイソチオシアネートは、体内の解毒酵素の働きを高めてがんを予防する効果に期待できます。葉にはβカロテン、ビタミンC、K、葉酸、カリウム、カルシウムなどが含まれていて栄養豊富なので、葉も付いている場合は、調理して食べるようにしましょう。
大根(ダイコン)のおすすめ品種Pick Up
-
紅しぐれ
太く短いダイコンで、外皮の紫色が特徴です。中心部分も薄く紫色がかっています。酢と合わせると紫色からピンクになります。シャキシャキとした食感で甘みのあるダイコンです。
-
レディーサラダ
神奈川県三浦半島特産の中太りの大型ダイコン「三浦大根」から品種開発されたサラダ専用のダイコンです。辛みが弱く繊維質がやわらかいため、名前の通りサラダ向きです。
-
紅化粧
色鮮やかな赤ダイコンで、中は白いです。辛みが少なくみずみずしいので、サラダや酢漬けにおすすめです。
-
紅芯大根
見た目はカブのような直径は10cm程度のダイコンです。表皮は薄い緑色ですが、果肉は赤色です。辛みが少なく、食感はやや硬くパリパリです。生のまま、サラダや浅漬けにおすすめです。
-
黒大根
ヨーロッパ原産の黒ダイコンです。黒い皮と対照的に果肉は真っ白です。加熱すると甘くなり、ややホクホクとした食感になるので、煮込み料理におすすめです。
-
黒丸大根
果皮は黒いですが、果肉は白いです。直径8~10cm程の大きさで、ヨーロッパの在来品種です。サラダ等の生食用として人気がありますが、皮がかためなので、生で食べる際はむくのがおすすめです。加熱調理にも合います。
-
紅甘味(赤大根)
甘味が強く、色味を活かしてサラダや浅漬け用に向く赤ダイコンです。赤ダイコンですが、緻密で歯ざわりのよい食感です。
-
辛味大根
そばの薬味などにすりおろして利用される辛味大根は白色のほか、赤や紫色のものもあり、形も様々で多くの地方品種があります。
-
ねずみ大根
根が長く下膨れの姿がねずみの後ろ姿に似ていることから名前が付きました。辛みが強く、そばやうどんの薬味に使われます。
-
紅白ラディッシュ
赤と白の綺麗なラディッシュです。バリッとした歯切れのよさでサラダに向いています。ほんのりとした甘さの後に、ほのかな辛みがきます。酢漬け、塩漬けにすると赤色が一層鮮やかになります。
大根(ダイコン)Q&AQuestion
- 輪切りにしたらスが入っていて、そこが青くなっている。
- スの周辺が青黒くなっているのは、生理現象で「青アザ症」と呼ばれます。食べても害はありませんが、かたくなっていたり、苦みを感じたり食味も悪くなるので、取り除く場合が多いです。
- 外部の黒いスジは何?
- 栽培時にホウ素が欠乏すると外部に黒いスジとして現れることがあります。人体への害はなく食べても問題はありませんが、風味や食感が落ちているケースもあります。
大根(ダイコン)の豆知識Knowledge
- 辛みが少ないダイコンの選び方
ひげ根の穴が縦に一直線に並んでいるものは、栽培中にストレスが少なく育ったものが多く、辛みが少ないといわれています。 - 部位によって調理方法を変える
部位によって甘みや辛みが違います。辛い下の部分は漬物に、甘い上部は生でサラダに、真ん中の部分は用途が広く、おでんなど量を使う煮物などに適しています。 - おでんのダイコンをおいしく煮る方法
下ゆでをすることで、ダイコンのにおいの元になっている成分が溶けだし、ダイコン独特のにおいを抜くことができます。そうすることで、他の具材に味が移ってしまうのを防ぎ、それぞれの味を引き立たせることが出来ます。 - カイワレ大根はダイコンになる?
ダイコンの新芽を食べる野菜がカイワレ大根。だから育てるとダイコンが収穫できそうに思えますが、カイワレ大根は新芽がおいしく育つように種子を品種改良したものなので、ダイコンにはなりません。 - 民間療法でも活躍
胃もたれや二日酔いには、おろし汁少々を食前に飲むとすっきりします。風邪の発熱や咳には、おろし汁におろしショウガを加え、湯で割って飲まれていました。乾燥させた葉は入浴剤として利用されていたそうです。