Persimmon

柿 畑





「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるくらい栄養が豊富
特にビタミンC、タンニン(ポリフェノールの一種)に注目




歯ごたえの硬いものとやわらかいものと人によって好みが分かれますが、最近は硬めのものが人気です。「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、栄養価の高い果物です。ビタミンCが豊富で、柿のオレンジ色はカロテノイドの一種βカロテンで体内に吸収されるとビタミンAに変わります。柿の渋みはポリフェノールの一種のタンニンで、アルコールの分解作用があるため、二日酔いに効果が期待できます。またカリウム、食物繊維も多いことが知られています。柿は江戸時代に多くの品種が生まれたといわれ、現在は1000種類以上あるといわれています。大きく分けると、富有柿などに代表される完全甘柿、西村早生などに代表される不完全甘柿、平核無のように抜きが必要な渋柿があります。

  • 選び方

    • 果面、果頂部に褐変のないもの
    • ヘタの形が整っていて、果実に張り付いているもの
    • ハリとツヤがあり色が鮮やかなもの
  • 栄養

    柿にはナトリウムが含まれており、むくみや高血圧の改善が期待されます。柿のオレンジ色のもとになっているβカロテンは、カロテノイドという天然の色素の一種で、抗酸化作用があります。生活習慣病や老化の原因とされる、活性酸素を抑える働きに期待できます。柿に含まれる食物繊維の多くは、不溶性食物繊維のため、腸を内部から刺激し、便通を促進します。甘柿や渋みが抜けた柿にもタンニンは含まれ、抗酸化作用があり、生活習慣病やアンチエイジングに期待されている栄養素です。

柿のおすすめ品種Pick Up

  • 富有柿

    果肉はややち密でねっとり。やわらかいがベトつかない。甘さがさわやかで適度な硬さもあるため、サラダなどにも。10~11月が旬ですが、貯蔵性が高いので、冷蔵保存物は12月~翌1月。

  • 富士柿(甲州百目)

    大きな釣鐘(つりがね)型の形で、富士山のような形から富士柿と呼ばれています。愛媛県八幡浜市の特産。追熟すると、果肉がしっとりゼリーのようになり、完熟するとトロトロになります。関西では「江戸柿」や「代白柿」と呼ばれます。干し柿にすると甘く、こってりするのであんぽ柿やころ柿にしての流通も多いです。11月上旬〜

  • 筆柿

    名前の通り、筆先のような細長い形をしているのが特徴です。糖度が高く、濃厚な甘みがあります。9月中旬~10月

  • 早秋柿

    8月から収穫される極早生の甘柿です。やや大きめで丸みを帯びた四角形で、甘みが強く、果肉はやややわらかいです。熟すと濃いオレンジ色になります。日持ちがよいので流通しやすい柿です。

  • 禅寺丸柿(ぜんじまるかき)

    日本最古の甘柿といわれ、小ぶりで甘く、種が大きいのが特徴です。熟すと果肉に黒い斑点(ゴマ)が入り、とても甘くなります。果肉はサクサクとしてやさしい甘さがあります。11月初旬~中旬

  • 西村早生柿

    8月下旬から流通する早生柿です。果肉はややかためで、カリカリした食感で、さっぱりとした味です。また、果肉に黒い斑点(ゴマ)が入るのが特徴で、「ゴマ柿」と呼ばれることもあります。

  • 西条柿

    形は縦長で、縦に4つの溝があるのが特徴です。とても甘く、肉質はち密、絶妙な硬さです。熟すとゼリーのようなプルプル食感になります。

  • 平核無(ひらたねなし)

    渋柿の代表品種です。四角い箱型の形で、種がないのが特徴です。果肉はち密でやわらかく果汁も多いです。10月~11月に多く流通し、発祥とされる山形は「庄内柿」、新潟は「八珍柿」、新潟県佐渡島は「おけさ柿」、和歌山は「紀の川柿」などの呼び名があります。

  • 刀根柿(とねがき)

    平核無によく似ていますが、刀根柿の方が少し大きいです。柿の中でも最も早く、夏に流通し始めるため、冷たくして食べるのが美味しい。種なし。

  • 次郎柿

    甘柿の代表品種です。富有よりも大きく、果肉はしっかりとしてカリッとした食感です。種はほとんどないです。ハウス栽培のものが9月中旬~、一般的には10月中旬~11月。

  • 紀の川柿

    紀の川柿は、樹上で脱渋された柿で、果肉に入る黒いゴマが有名です。甘みが強く、サクッとした食感です。「紀の川柿」は品種の名称ではなく、樹上で脱渋する方法で栽培された柿のことです。10月中旬~11月中旬

  • 太秋(たいしゅう)

    果肉はサクサクとした食感で、甘みが強いのが特徴です。条紋と呼ばれる黒い線が表面に生じやすいのも特徴のひとつで、これは完熟して糖度が上がっている証拠になります。また完熟しても表面に青みが残っていることがあります。10月下旬~11月上旬

  • みしらず柿(身不知柿)

    みしらず柿は、毎年皇室に献上される「献上柿」としても有名です。果肉は少しねっとりとしたなめらかな舌触りです。10月下旬~11月下旬

柿Q&AQuestion

渋抜きをした柿を使ったのに、ジャムが渋いのはなぜ?
加熱による「渋戻り」という現象です。渋抜きは渋みの元となっているタンニンを、出来るだけ感じないように処理したもので渋そのものがなくなっているのではないので、加熱をした際に、タンニンが元に戻り、渋みを感じるようになったと考えられます。加熱調理の場合、完全甘柿を使用することをおすすめします。
常温で置いたままにしていたら柿がブヨブヨになってしまった
ブヨブヨになった柿をまるごとラップに包んで、冷凍しましょう。解凍の際は、半解凍の状態で食べるとシャーベットのような食感になり美味しいです。

柿の豆知識Knowledge

  1. ゆっくり熟させる
    柿はヘタで呼吸しているため、濡らしたティッシュをヘタにかぶせておくと、呼吸を抑えることが出来、熟すスビートもゆっくりにすることが出来ます。
  2. 保存
    常温で保存する場合、ヘタを下にしてポリ袋に入れ保存します。ポリ袋に入れることで、水分が蒸発するのを防ぎます。冷蔵庫の野菜室で保存すると熟すのを遅くすることが出来ます。ラップでぴったりと密封して、水分が蒸発するのを防ぐ方法もあります。
  3. 柿の葉茶
    柿の葉に含まれるビタミンCは熱に強いため、お茶にしても損失が少ないです。ケルセチン(血行促進や炎症を鎮める作用に期待)、タンニン(ポリフェノールの一種で抗酸化作用に期待)も含まれています。

注目の野菜・フルーツPick Up

  • 梨(ナシ)

  • ブドウ

  • 枝豆(エダマメ)

  • 桃(モモ)

  • 栗 (クリ)

  • サツマイモ

  • レンコン(蓮根)

  • 里芋(サトイモ)

  • 茄子(ナス)

  • ゴボウ