Japanese Pear 梨(ナシ)
シャリシャリ食感の秋の定番
水分が豊富でみずみずしくさわやかな甘さがあり、古くから日本で親しまれています。7月から出回り、最盛期は8月~10月、12月まで出回ります。貯蔵性がよい品種もあり、3月頃まで出回ります。品種は大きく分けて二つあり、二十世紀に代表される皮が黄緑色の青ナシと、幸水、豊水に代表される皮が褐色の赤ナシがあります。7月からの早生種には幸水、9月の中生種では、豊水、二十世紀、10月からの晩生では新高、新興などがあります。
-
選び方
- 左右の形が整っているもの
- 横に広がり、ずっしりと重みのあるもの
- 皮に傷がないもの
- 軸がしっかりとしていて果皮に色ムラがないもの
-
栄養
すっきりとした酸味にはクエン酸、リンゴ酸などの有機酸や、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸があり、疲労回復効果があります。さわやかな甘みはソルビトールという糖アルコールで、喉の炎症を抑えるほか、便秘解消の効果があるといわれています。
梨(ナシ)のおすすめ品種Pick Up
-
幸水
甘みが強い定番の人気品種です。肉質はち密で、「二十世紀」に比べてやわらかく、ジューシーです。糖度は12度前後ですが、酸味が少ないため甘みを感じやすいです。晩生の品種に比べると日持ちがしないので早めに食べきりましょう。
-
豊水
適度な酸味と甘みを併せ持つ黄金色の赤ナシです。赤ナシとしては「幸水」に続いて出回る品種です。肉質は「二十世紀」に比べてやわらかく「幸水」と同程度です。糖度は 12度前後で、酸味が適度にありさわやかです。
-
新高(にいたか)
果重は450~500gと大型で、みずみずしい晩生の赤ナシの代表品種です。皮に果点が発生するのが特徴で独特の芳香があります。肉質は若干ザラザラとしますが、やわらかくジューシーで、糖度は11~12度。酸味が少ないため、甘みを感じやすいです。見た目の立派さから贈答用にも人気が高い品種です。上品な甘みと香りで「ナシの王様」とも呼ばれます。
-
二十世紀
青ナシの王道ブランドで、果肉はち密でやわらかく、さっぱりした酸味があり上品な甘みを持ちます。読み方は「にじっせいき」。皮の色が緑の時はシャキシャキ感が強く、だんだん黄色を帯びるにしたがって甘みが増します。
-
あきづき
やや晩生種の赤ナシで、シャキシャキとした歯ごたえで甘みも強い品種です。果重は500g前後で豊水より少し大きめ、果肉はち密でやわらかく、ジューシーです。糖度は12~13度で酸味が弱いため、濃厚な味に感じます。果形は豊円形で、月のように見えることから「あきづき」と命名されました。
-
南水
糖度が高い大型の赤ナシです。皮がやわらかいため、袋をかけて栽培されます。形状は少しボコボコした感じがありますが、果肉の色は雪を思わせる白さで、カットの見た目がよい品種です。感肉はやわらかくジューシー、糖度は14~15度で甘みが強く酸味が少ないです。
-
新興
秋に店頭に並ぶ新興は一般的なサイズの梨の1.5倍ほどの大きさがあり、果汁もたっぷりです。果肉は緻密ですが、少しやわらかめ。やさしい甘さにマッチした酸味があります。
-
なつひめ
赤梨と青梨の掛け合わせで出来た鳥取県の青梨です。果肉はジューシーで柔らかく二十世紀梨よりも甘いですが、酸味が少ないです。
-
王秋
11月頃に店頭に並び、500gを超える大玉の赤梨です。果肉はやわらかめですが、シャリシャリとした食感もあります。甘みが強いですが、酸味もあるため後味はさっぱりとします。
梨(ナシ)Q&AQuestion
- 輪切りにしたところ、中心部の色が変色していました。これは病気?
- これは蜜症(みつしょう)と呼ばれる生理障害のひとつで、冷夏、長雨、乾燥、高温などの異常気象が起因とされます。食べること自体には問題がありませんが、食味が悪いのでその部分は取り除くようにしましょう。
- なぜ果肉はシャリシャリしているの?
- 「石細胞(せきさいぼう)」という、種子を守るための硬い細胞が、熟すにつれ果実全体に散らばるので、独特のシャリシャリという食感を生んでいます。
梨(ナシ)の豆知識Knowledge
- 完熟のナシはツルツルしている
完熟している赤ナシは、果皮のザラザラ感(茶色い斑点)は熟すにつれて減り、食べ頃になるとツルツルになっていきます。見た目にも艶がでてきて、手触りもザラザラからツルっとしてきます。 - 肉をやわらかく
なしには「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素が含まれているので、すりおろしたナシに肉を浸けこんでおくと肉がやわらかくなります。