飯塚果樹園のぶどう  長野県上田市

豊かな香りを放ち 収穫を待つ完熟のぶどうたち

甘くてみずみずしいぶどうが育つ長野県上田市は、高い晴天率と少雨、高い標高によりもたらされる昼夜の寒暖差が、おいしいぶどうを育てるのに適しています。

この上田市で育種も手掛ける飯塚果樹園の飯塚芳幸さんを訪れました。飯塚さんは農林水産大臣賞をはじめ、フルーツ王国長野において長野県知事賞を通算7回、2010年に日本農業賞優秀賞、 2018年に緑白綬有功章を受章されているスーパー農家です。ぶどう棚の中に入った途端、熟した甘い香りが漂ってきました。シャインマスカット、クイーンルージュ、ナガノパープル、そして一般的にはあまり見ることのない品種のぶどうたちです。

飯塚さんと言えば「土」

樹、根、土。“土こそすべて”をモットーに、30年以上化学肥料・除草剤・土壌消毒剤などを使用せず、剪定枝や広葉樹の落ち葉などで作る自家製堆肥の中の微生物の力で健康な土を作り、ぶどうの味を高めています。微生物の力がぶどうのうまみになっているのです。樹には意識があり、樹の意識を司るのは根。だから土にこだわる、とのこと。土で樹を育て、剪定した枝は堆肥になり、そして再び土に還ります。

飯塚さんによると、もともとこの土地は水はけが悪くぶどう栽培に不向きで、ぶどうが根腐れをしやすく周囲の仲間もぶどう作りから離れていったとのこと。試行錯誤を繰り返す中で、微生物に着目した有機栽培と出会い、その後「特別栽培農産物」(農水省新ガイドラインによる)の認証も取得。水はけを良くするためにライ麦を撒くことで、この土地の持つ力を引き出し、健康な根を育むことも一例。全ては感動するぶどうを作り出すために。

新しいぶどうを目指す

「真沙果(まさか)」(飯塚果樹園オリジナル新品種)

ぶどう栽培のプロとして「自分の品種をつくる」という夢に2000年頃に着手し、その後11年の歳月をかけ選抜を行い、2019年に品種登録を果たしたのが飯塚果樹園オリジナル新品種「真沙果(まさか)」です。

「まさかこんなぶどうがあるなんて…」と驚き命名。鮮やかな赤色で、1粒30gにもなる超大粒の品種です。パリッとした食感で、口に入れた瞬間に広がる香りとジューシーな果汁が特徴です。

「美夕果(みゆか)」(飯塚果樹園オリジナル新品種)

信州の美しい夕焼けを思わせる赤いグラデーション。締まった果肉、芳しい香りに甘みやうまみが凝縮された上品な味わい。

「黄妃(おうひ)」(飯塚果樹園オリジナル新品種)

皮切れが良く、パリっとした食感の後にくるジューシーで爽やかな甘みが魅力。小柄な粒は気品ある妃をイメージさせる。

「紅緋(こうひ)」(飯塚果樹園オリジナル新品種)

甘みと酸味のバランスに加え爽やかな香りが最高のハーモニーを奏でる。鮮やかな真紅に染まる姿も魅力。

「ゴールドナイト」(飯塚果樹園オリジナル新品種)

黄金に輝く西洋の騎士を彷彿とさせる独特の形から命名。皮切れ良くクリーミーで濃厚な甘さの中に爽やかな後味が1粒食べると止まらなくなる。

生産者さんとお客様との架け橋として

味を確認するバイヤー山中

サンフレッシュグループでは、バイヤーが産地まで足を運び、生産者さんから生育状況や今後の見通しなどを伺いながら、販売計画を立てます。国内一の市場である「大田市場」に野菜・フルーツのそれぞれのバイヤーが在籍するだけでなく、全国の各店舗にも在籍しています。グループ独自のネットワークで入荷する青果物の他に、飯塚果樹園のぶどうのように希少性の高い高品質なフルーツも揃います。

バイヤーは産地で試食するだけでなく、特にフルーツは天候や成育状況により味が変わることもあるため、店舗においても自らの舌で味を確認します。そうすることで、お客様のご要望に沿った野菜やフルーツをご提案できるのです。バイヤーは産地から青果物を仕入れるだけでなく、生産者さんとお客様との架け橋として存在しています。