Eggplant 茄子(ナス)
個性あふれる地方品種も多く取り揃えています
日本では奈良時代から栽培されていたといわれ、現在も地方品種が各地に多く残っています。全国的に主流となっているのは、千両ナスのように用途性が広い長卵形のものですが、品種は形や大きさによって大別でき、地域によって長ナス、大長ナス、丸ナス、卵形ナス、小丸ナス、米ナスなどさまざまなものがあります。サン・フレッシュグループでは用途によって漬物用、田楽用に向いているナス、生食できる水ナスや、ヨーロッパ産のカラフルな品種も多く取り揃えています。どの品種も味にクセがなく果肉がスポンジのような構造なので、ほかの食材のうま味やだしを吸収しやすく、味が染み込みやすい特徴があります。
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選び方
- 皮に光沢とハリがあるもの
- 表皮に色むらがなく、ガクと実の間が白や薄紫色のものが新鮮
- ヘタの切り口が新しいもの
- ガクにトゲのある品種の場合は、トゲが鋭いもの
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栄養
ほとんどが水分で出来ていますが、果肉には抗酸化力の強いクロロゲン酸も含まれていて、生活習慣病の予防やダイエットなどに効果があると注目されています。ナスの紫色の色素はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、ガン予防、高血圧の予防、またコレステロール値を下げる働きがあるといわれています。また、カリウムを多く含むため、体の熱を逃がし、夏バテ解消効果などもあります。
茄子(ナス)のおすすめ品種Pick Up
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長ナス
長さが20~25cm前後の細長いナスです。 40cm以上になるナスは大長ナスと呼ばれます。肉質がやわらかく加熱すると食感がなめらかになるので、焼きナスや炒め物、煮物などに向いています。
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赤ナス(ひごむらさき)
赤紫色の皮が特徴で、ずんぐりとした形で25cm以上にもなります。アクが少なく、種も少なくやわらかいので、焼きナスに利用されることが多いです。
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米ナス
アメリカのナスを品種改良したもので、大型で丸みがあり、緑色のヘタが特徴です。肉質が締まっていて縦に繊維が走っているため、輪切りにして加熱調理の他、田楽や、焼きナスにすると、トロッとした味わいになり美味しいです。
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青ナス
各地で作られている固定種で「線なす」「白なす」「翡翠なす」などとも呼ばれる緑色のナスです。加熱すると実がやわらかくなるため、ソテーや田楽などに向き、煮込むと溶けて崩れやすくなります。
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白ナス
紫色の色素であるナスニンがないため、果皮が白いのが特徴です。加熱すると果肉はトロトロになりますが、皮は変色します。日本では緑色のナスを白ナスと呼んでいる地域もあります。
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小ナス
種が少なく皮がやわらかいため、皮ごと漬物にされることが多いナスです。地方品種も多く、卵型、丸型など形も様々で、漬け方も地方により異なります。
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水ナス
皮がやわらかくアクが少ないため、生でもおいしく食べられるのが特徴の水ナスは、絞ると水が滴るほど多汁です。漬物のほか、鮮度の良いものは刺身としても。
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佐土原なす
宮崎の伝統野菜。皮が薄く、生で食べるとほんのり甘さを感じ、加熱するとトロリととろける食感。焼きなすにすると絶品です。名前の由来は、ナスの栽培が盛んだった佐土原藩の名前から。
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ゼブラなす
皮に白と紫から赤紫色の縞模様が入り、模様がシマウマのように美しい、イタリアの品種です。果肉はかためですが、加熱するとトロッとするので、ソテーや煮込み料理に向いています。
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賀茂なす
田楽にするのが有名な「賀茂なす」は、皮がやわらかく、果肉がち密で煮炊きしても煮崩れし難いのに、とろけるような食感があります。田楽以外でも何にでも合います。
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たまごナス
まるで見た目は卵。白ナス同様、皮はかたいですが、加熱すると果肉はなめらかでトロりとします。
茄子(ナス)Q&AQuestion
- 黒い斑点や変色は食べられる?
- 新鮮なナスの切り口は全体的に白く、種も目立たちません。古くなってきたものは種が黒く見え、種の食感が気になるかもしれないですが、腐っているわけではないので、大丈夫です。旬の走りの6月は種が目立ちにくいですが、旬の盛り、名残の8月下旬から9月にかけては種が目立つようになってきます。
- 冷蔵庫で保存していたら、果肉が茶色くふやけてしまった?
- ナスの保存温度が10℃以下だと低温障害を起こし、果肉が茶色く変色し、張りがなく、ふかふかの状態になります。その部分は取り除いて早めに食べるようにします。ナスはキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れ野菜室へ入れるようにしましょう。
茄子(ナス)の豆知識Knowledge
- ガクの下の白い部分
ガクの下の白い部分(ガクと実の間の部分)は、ナスが一番新しく成長したところです。やわらかく甘みがあるので、出来るだけ実を残すよう、ガクを削ぎましょう。 - アクが多い、少ない時期がある
最近のナスは品種改良されてアクが少なくなっていますが、時期によってはアクが強くなります。旬の走りの時期である6月頃に出回るものは苦みもアクも少ないですが、旬の盛りや名残の8~9月にかけてはアクが多少感じられることもあります。ちなみに、水ナスはアクが少ないので生食も可能です。 - 「ナス」「ナスビ」?
どちらも間違いではありません。ナスが日本に伝わった奈良時代は「奈須比(なすび)」と呼ばれていました。また、酸っぱい味がしたから中酸実(なかすみ)→なすみ→なすびになったという説、夏に実がなるから夏実→なつみ→なすびになったという説も。「ナス」の呼び名の始まりは江戸時代といわれ、徳川家康が売れ行きのよいナスビに「物事を成す」という意味をかけたところ、緑起物として人気に。西日本では「ナスビ」、関東や東北では「ナス」と呼ばれることが多いようです。