花とミツバチと、私たちの食卓 兵庫県宍粟市「Shinobee Honey」

兵庫県宍粟市の山あいにある、Shinobee Honeyの養蜂場を訪問しました。

今回、サン・フレッシュグループのメンバーは防護服を着て巣箱を見学し、はちみつ搾りを体験しました。

普段、私たちは百貨店や店舗で野菜や果物を販売しています。青果専門店がはちみつの現場を訪ねると聞くと、少し意外に感じる方もいるかもしれません。

でも、実はとても深いつながりがあります。野菜や果物の多くは、花が咲き、受粉して、実になります。その受粉を助けている存在のひとつが、ミツバチです。もしミツバチが少なくなれば、今まで当たり前のように食べてきた野菜や果物も、今と同じようには育たなくなるかもしれません。 今回の訪問は、はちみつのおいしさを知るだけではありませんでした。野菜や果物を支えている自然の仕組みを、現場で学ぶ時間でもありました。

山あいの養蜂場で感じた、売場とはまったく違う空気

養蜂場に着くと、まわりは緑に囲まれていました。山が近く、木製の巣箱がいくつも並んでいます。普段の売場とは、まったく違う空気でした。

まず、養蜂家の方から、巣箱の見方やミツバチの習性について教えていただきました。

巣箱に近づくと、羽音が聞こえてきます。思っていたより近く、数も多く、最初は正直少し緊張しました。巣箱を開ける前には、燻煙器で煙をかけます。養蜂家の方は、急がず、騒がず、ミツバチの様子を見ながら作業を進めていました。その落ち着いた姿を見ていると、こちらも少しずつ落ち着いてきました。木枠を引き上げると、そこにはびっしりとミツバチが集まっていました。写真で見るのとは、全然違います。実際に目の前で見ると、「こんなにたくさんのミツバチが働いているんだ」と驚きました。

はちみつは、自然と人の手が重なって生まれる

ミツバチは花から蜜を集め、巣に戻り、仲間と一緒にはちみつをつくっていきます。養蜂家の仕事は、ただ巣箱を置いておくことではありません。ミツバチの状態、季節、天気、花の咲き方、周りの環境。その一つひとつを見ながら、日々管理されています。相手は自然であり、生きものです。人の都合だけでは進まない仕事だと感じました。

搾りたてのはちみつを味わって気づいたこと

その後、はちみつ搾りを体験しました。蜜の詰まった巣枠を遠心分離機に入れ、ハンドルを回します。すると、容器の中に少しずつ黄金色のはちみつがたまっていきました。普段は瓶に入った状態で見ることが多いので、実際に搾られていく様子を見るのは新鮮でした。蛇口を開くと、とろりとはちみつが流れ出します。

搾りたてのはちみつを味わうと、まず香りの強さに驚きました。ただ甘いだけではありません。花のような香り。少し草木を思わせるような風味。「はちみつって、こんなに香りが違うんだ」思わず、そう感じました。実際に巣箱を見て、ミツバチの動きを見たあとに味わうと、はちみつの感じ方が少し変わります。一滴のはちみつができるまでに、花があり、ミツバチがいて、山や里の環境があり、養蜂家の方の手間がある。そのことを、実感しました。

「花をふやす、里をまもる 花織里プロジェクト」

Shinobee Honeyでは、「花をふやす、里をまもる 花織里プロジェクト」にも取り組んでいます。これは、耕作放棄地や荒れた土地に花を増やし、ミツバチが飛び回れる環境をつくっていく取り組みです。花が増えることは、ミツバチのためだけではありません。地域の景色が変わります。人がその場所に目を向けるきっかけにもなります。そして、花が咲く場所が増えることは、受粉を支える環境を増やすことにもつながります。

青果専門店と はちみつがつながる理由

私たちは普段、売場で野菜や果物を見ています。お客様も、トマトやりんご、いちごを選ぶとき、味や鮮度や価格を見ることが多いと思います。でも、その実ができる前に、どんな花が咲いていたのか。どんな虫が関わっていたのか。どんな自然に支えられて育ったのか。そこまで考える機会は、意外と少ないかもしれません。私たち自身も、今回あらためて考えるきっかけになりました。

はちみつと青果専門店は、関係がないように見えるかもしれません。でも、ミツバチが花を訪れ、受粉を助けることで、実をつける野菜や果物があります。ミツバチや花、里山を守ることは、はちみつを守ることだけではありません。私たちの食卓を守ることにもつながっています。

今日からできる小さな一歩があります。

野菜や果物を食べるときに、少しだけ思い出してみることです。

「この実ができる前には、花が咲いていたんだな」そう考えるだけで、いつもの野菜や果物の見え方が少し変わるかもしれません。サン・フレッシュグループは、これからも生産地を訪ね、作り手の声を聞き、食材の背景にある物語をお客様へ伝えていきたいと思います。そして、Shinobee Honeyのはちみつと、「花をふやす、里をまもる 花織里プロジェクト」の取り組みを、これからも応援していきます。