“先を見通す縁起物” 「大口(おおくち)れんこん」 新潟県長岡市

新潟県長岡市の北部に位置する中之島・大口(おおくち)地区は、新潟県の中心部に位置しながら、天然ガスや温泉が噴出する粘土質の土壌で、肥沃でミネラルが豊富です。地下水に栄養がありすぎて米が栽培しにくいため、米どころ新潟ですが、稲作よりもれんこん栽培に適している場所です。

今や中之島・大口地区は新潟県を代表するれんこん産地で、1923年(大正12年)から100年以上栽培され続けています。れんこんは葉が折れると大きく育たないため、生育中に台風の時期に重ならないよう、全国的に早生系のれんこんを育てられていることが多いですが、中之島・大口(おおくち)地区では、8~10月までは早生品種「エノモト」、11月から3月は晩生品種であり在来種の「ダルマ」を出荷されています。

「地理的表示(GI)保護制度」にも登録

高い品質と価値が評価され、地域特有の農産品ブランドを国(農林水産省)が認証し、地域の知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」にも登録されています。大口れんこんは令和3年に登録されました。

大口れんこんの特徴

「大口れんこん」はほとんどが新潟県内のみで消費されているため、あまり全国的な知名度がありませんが、加熱調理しても色が変化しにくく、真っ白でシャキシャキとした食感を求めて、リピーター率の高いれんこんです。

皮が茶色くなっているのは「大口れんこん」である証です
皮にある茶色いシブは地下水に含まれる鉄分がれんこんの酸素と反応して酸化したものです。皮が白いれんこんを見慣れている方は、“鮮度が悪くて変色している”などと勘違いされがちなのですが、茶色いシブがあることが「大口れんこん」の特徴です。皮を剥いてから変色しない、白さが続くのも「大口れんこん」の外見の特徴です。

●天皇陛下への献上品にも選ばれる
平成と令和、2度にわたり天皇陛下御即位に伴う大嘗祭の献上品に選ばれました。

全国的には夏の猛暑、水不足で農作物の不作がありますが・・・

暑い地域が原産地のれんこんは、夏の連日の猛暑が恵みとなり、大きく育ちます。また心配される水不足に関しても、中之島・大口地区では豊富な地下水をポンプでくみ上げているため、水不足の心配がありません。5月頃の急な温度の低下や、台風による風の影響がなければ、れんこんは大きく育ちます。

収穫方法

田かられんこんに転作したこともあり、れんこん田の水深は深くなく、ヒザ下くらいの浅い水深です。収穫方法は、ポンプで地下水を噴射し、その水圧で泥を飛ばしながら手作業で収穫します。れんこんの下に地下水を当てるとれんこんが浮いてきます。れんこんは引っ張ると折れてしまうので丁寧に優しく掘ります。

今日収穫したものが、明日店頭に並ぶ

夏は気温が高くなるのも早いため午前3時から収穫、箱詰めをして、お昼には出荷するので、サン・フレッシュの店頭には収穫翌日に並びます。10月頃からは気温も下がるので、午前5時30分からの収穫です。

大口れんこん生産組合長 髙橋さんおすすめの食べ方

皮を剥いて丸ごと鍋に入れ、大きなれんこんは半分に切り、4〜5分茹でます。茹ですぎるとれんこんの食感が失われますのでご注意を。茹で上がると、お好きな厚さにスライスし、醤油などをかけて食べます。髙橋さんのおすすめは、「れんこんの漬物」。鍋に醤油、酒、みりん、水を同じ分量入れ、アルコールを飛ばすため一度煮立たせます。そこに少量のすりおろしショウガと、スライスれんこんを一晩浸すと完成です。

当社アンバサダーの緒方湊さん(左)と大口れんこん生産組合長 髙橋さん(右)